スウェーデンでは、子どもが1歳になると保育園に通う権利が与えられます。それまでは保護者が家庭で養育しなければならない仕組みです。今回は、ストックホルム在住の私たち夫婦が経験した保育園探しについてお話しします。
これはあくまで私たちのケースで、すべての方に当てはまるわけではありませんが、同じような状況の方の参考になれば幸いです。
保育園探しの第一歩
まず、スウェーデンでは自分たちで希望の保育園を探す必要があります。自宅や職場に近い場所など、選び方は日本と似ています。また、多くの保育園では見学を受け付けており、時には園を開放して未就学児が遊べるイベントを行うこともあります。このような機会を利用して、園の雰囲気を知ることができます。
私たちは徒歩15分ほどの場所にあるインターナショナル保育園に息子を通わせたいと思い、園長先生にメールで見学を申し込みました。しかし…全く返信が来ない!
夫が3度保育園に電話をしてやっと園長先生に繋がり、見学ができることに。結局、見学に訪れたのはメールを送ってから1ヶ月後のことでした。
スウェーデンの保育園システムの特徴
スウェーデンでは、保育園に入るためにオンラインで順番待ちの「列」に並ぶ必要があります。この仕組みで重要なのは、“早い者勝ち”であること。希望する保育園が明確なら、できるだけ早く申し込むことが肝心です。実際、子どもが生まれる前から登録できるため、多くの家庭はその時点で申し込みを済ませているようです。
私たちは、このシステムについてほとんど知らず、スタートダッシュが完全に遅れてしまいました。スウェーデンに引っ越してきたのは10月初め。その翌月、息子が1歳になるタイミングでようやくソーシャルセキュリティナンバーを取得しました。保育園探しを始めたのは、そのさらに後のことでした。
思わぬ壁に直面
私たちは当初、親のどちらかが無職の場合、子どもを保育園に通わせることはできないと思い込んでいました。しかし、実際にはスウェーデン語の学習プログラム(SFI)に通う場合も保育園の利用が認められると知り、まずはSFIを探すところからスタート。その後、インターナショナル保育園の見学を終え、ストックホルム市の保育園申込システムに登録しました。
しかし、そこで衝撃の事実が発覚!なんと、希望していた保育園にはすでに40人以上の順番待ちができていました。1歳児クラスの定員はわずか10名程度と聞いていたので、夫婦で「これはもう無理だろうね」とすっかり打ちひしがれてしまいました。
ところが、ここで夫が一言、「ミラクルを信じよう!」とポジティブ発言。急にラテン系の性格が顔を出すんですよね(笑)。その一言に励まされ(?)、第一希望の保育園を諦めずにキープしながら次の行動を考えることにしました。
第2、第3の選択肢を探す
第一希望のインターナショナル保育園はキープしたまま、夫の母国語であるフランス語教育がある保育園や、英語を取り入れている別の保育園を第2、第3希望に登録しました。選択肢を増やすことで、どこかに入れる可能性を少しでも高めたかったのです。
結果オーライ!
最初は不安だらけの保育園探しでしたが、結果的には満足のいく保育園に息子を通わせることができました。第一希望のインターナショナル保育園には入れなかったものの、第二希望として登録した英語・フランス語のクラスがある保育園に無事に入園できました。名前こそインターナショナル保育園ではありませんが、国際色豊かで、インターナショナル保育園と遜色なく、先生方も素晴らしく信頼できる方ばかり。息子も先生やお友達が大好きで、今の保育園にとても満足しています。
慣れない環境での手続きに戸惑うことも多かったですが、スウェーデンの保育園システムについて深く知る良い機会となりました。
これから保育園を探される方は、早めの行動を心がけることをおすすめします!また、分からないことがあれば周囲に積極的に聞いてみることも大切です。まだ知り合いがいない場合でも大丈夫。ストックホルムには子ども向けの公園がたくさんあり、日中はどの公園でも子どもと保護者が一緒に遊んでいる光景が見られます。その場で話しかけたり、話しかけられたりするのはスウェーデンではよくあることです。
たとえば、子どもをブランコで遊ばせているときに隣の親子と自然に会話が始まることも。日本と比較すると、初対面でも雑談を楽しむ文化が根付いているので、このような機会を活用してみてください。現地の方から有益な情報を得られることも多いですよ!
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